昌徳宮を観光し終えた頃には日没も徐々に迫っており、急いで地下鉄を乗り継ぎ東大門(トンデムン)エリアへと向かった。
東大門エリアには明洞と同様にショッピングがかなり有名だが、今回は時間の都合上、興仁之門(東大門)と東大門デザインプラザを巡ってきたのでその様子を紹介したい。
南大門市場と同様に、東大門エリアにも東大門市場があり行きたかったが、こちらはまたの韓国旅行の際の楽しみとしておくことにする。
朝鮮王朝時代の東の城郭の門「興仁之門(東大門)」観光
東大門エリアの1箇所目の観光は、興仁之門(フンインジムン)と呼ばれる東大門(トンデムン)である。
1396年に建造されたそうで、朝鮮王朝時代に東西南北に建てられていた四大門のうちの東の門にあたる。
前日に訪問した崇礼門(南大門)は名前の通り南側の門、西側にも現存はしていないが敦義門、北側には現存している粛靖門、そして東側に位置するのが興仁之門(東大門)である。
ソウル観光の際に注目されるのは崇礼門(南大門)と興仁之門(東大門)なので、この二つは押さえておきたいところである。
日本のニュースでも、韓国についての報道がされるときは景福宮や東大門で撮影されることが多いように、ソウルの象徴かつランドマークとなっている場所である。
こちらが道路側(西側)から見た興仁之門(東大門)の姿である。

日も沈みかけているが、なんとか明るいうちに興仁之門(東大門)に到着することができた。
現在は崇礼門(南大門)と同様に周囲を道路に挟まれたエリアに立っているが、元々は周囲に城壁などもあったそうだ。
現代建築の中に佇む興仁之門(東大門)は周囲と比べて異様な光景で、不意に側を通りがかっただけでも立ち寄ってみたくなるような雰囲気があった。

門には立ち入り制限がかかっており、崇礼門(南大門)と異なり、通り抜けることができないようになっていた。

先ほどまで見ていたのは東大門の西側だが、東側に行ってみると門の前には高い門壁が立っている。

内部は立ち入り禁止となっているので入ることができないが、こちらの撮影位置から門の上部のみ眺めることができた。

完全に豆知識ではあるのだが、東西南北の門がそれぞれ東から崇礼門、西は敦義門、北は粛靖門、東が興仁之門と名付けられており、興仁之門だけが4文字となっていることに気がついただろうか。
実は風水に基づいているようで、朝鮮王朝時代のソウル(漢陽)の東側の地場の気が弱く、気を高めるために4文字にしたと言われているそうだ。

高い門壁があるので、近くに寄ってみるととはできなかったが、二層構造の上部だけはなんとか見ることができた。
写真だと分かりにくいが、うっすらと「興仁之門」と書いてある。


東大門エリアには興仁之門(東大門)以外にも様々な観光スポットが他にも点在しているので、日没ギリギリのタイミングで別の有名スポットにも移動してみることにした。
独特のデザイン空間「東大門デザインプラザ(DDP)」を訪問
東大門エリアで他にも見逃せない建物が、独特のデザイン空間がある「東大門デザインプラザ(通称DDP)」である。
元々はスタジアムがあった東大門運動場の跡地に、約4,000億ウォン(日本円換算で430億円程度)の費用が投じられて2014年に完成した。
英語名で「Dongdaemun Design Plaza」となるため、頭文字をとって「DDP」と呼ばれているそうだ。
見た途端に思う感想としてはなんだこの形の建物は?という感じだが、建物の内部にはアートホールや韓国デザインの発信地「ミュージアム」、デザインビジネス拠点「デザインラボ」、食事・買い物エリア「デザインマーケット」など様々な施設があり、いわば複合施設となっている。


非線形的な建築デザインが特徴で、外観は曲線的な様相を呈している。
今回見ることができなかったが、ライトアップされる夜には異世界風な雰囲気を醸し出すと言われている。

建物の設計はイラク出身の建築家で、「曲線の女王」とも呼ばれるザハ・ハディッド氏が担当した。
ザハ・ハディッド氏は、世界では「アンビルトの女王」(unbuild=実際に建つことのない)という名前で知られているが、活躍していた時期である1980年代の技術で彼女の構想を実現する方法が無かったが故にこの名前がつけられていたそうだ。
十数年間実現する建築はひとつも無かったが、テクノロジーの発展とともに現代の建築技術では建築が可能になっている。
今回こちらの記事を執筆するにあたって私自身も知ったことであるが、実はザハ・ハディッド氏が構想して建物が現実化したのは日本で1990年に札幌のMonsoon Restaurantの内装を手がけたことだったようだ。
実現はしなかったものの一時、2020東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場のデザインコンペに選ばれたことは記憶に新しいかもしれない。

実際に東大門デザインプラザの内部にも入ってみることにしたが、私が行ったタイミングでもデザインのイベントが開催されていた。
右側のテーブルがずらっと並んでいるエリアがイベント会場である。
おそらくこういったデザインのイベントなどを常日頃から開催してソウル観光や市民の注目の的になっているのではないかと思う。


施設の内部にはメリーゴーランドがあったが、もちろん一人で乗るのは恥ずかしいので乗らなかった。

メリーゴーランド上に大きく迫り出す球状の建物が異世界空間に来たかのような世界観に引き摺り込まれたような感覚にさせてくれる。


施設の内部にある「DDPマーケット」では、食事やショップも併設されていた。

階段には変わった形のアートがあり、赤く描かれたハートの上に椅子が置かれている。


ソウル旅行ではよく見かけるが、世界の各都市までの距離を示す看板が東大門デザインプラザにも設置されていた。
今回注目すべきは、北朝鮮の平壌までの距離の近さで、実際の距離としてみると平壌から196kmの地点にいるそうだ。
普段テレビやスマートフォンの映像でしか見ない北朝鮮も、ソウルからだとすぐに移動できそうな距離にあり、韓国が北朝鮮の情勢に敏感になるのもよく分かるだろう。

以上、東大門デザインプラザの観光だったが、こちらの施設はNYタイムズ紙の「必ず行くべき世界の名所」に選ばれた観光地だけあって、見に行った甲斐があったと思う。
東大門デザインプラザでは頻繁に芸術活動やイベントなども開催されており、芸術やアートに興味がない人でも楽しむことができるのではないかと思う。
ソウル旅行で興仁之門(東大門)や東大門市場に行くのであれば、合わせて行ってみても良いと思う。
ここまで読んでいただきありがとうございました。続きは、#17をご覧ください。


