リトルインディアから再び移動し、先ほどまでとは全く異なる雰囲気のあるエリアへと向かう。
その場所とは、MRTでリトルインディアから乗り換えをすることなく移動できる、「クラークキー(Clarke Quay)」である。
クラークキーのウォーターフロント観光に加えて、クラークキーにあるSNSで話題のスポットである「旧ヒルストリート警察署」へと向かうことにする。
ウォーターフロント「クラークキー」周辺散歩
「クラークキー(Clarke Quay)」はシンガポール川沿いに位置しており、かつては貿易や物流の中心地として栄えた場所である。
現在ではレストラン、バー、ショップ、ナイトライフ施設などが集まるエンターテイメントの中心地となっている。
澄み切った青空とびっしりと立ち並ぶカラフルな建物の景色が素晴らしい。
気温自体はかなり高いのだが、若干の風もあり、シンガポール川の側を歩いていると本当に気持ちが良かった。

クラーク・キーという名前は、19世紀にこの地域の開発を担当したシンガポール総督のアンドリュー・クラークというイギリスの行政官に由来している。
キー(Quay)という言葉は、日本語訳すると岸壁や埠頭という意味となる。
実際にオーストラリアのシドニーにもサーキュラーキーという地名があったりするので、海外に行くと目にすることが多い単語だろう。
またこの場所はかつて貿易と港湾業務の中心地であり、シンガポールの発展に大きく貢献した場所で、現在では当時の倉庫や建物がリノベーションされて観光地となっている。

実際にクラークキー周辺の地図を見ると分かりやすいが、マリーナ湾からシンガポール川を少し遡上した地点にあるエリアなので船を停泊させやすかったのだろう。
船を停泊させやすいということは、人の行き来も多くその場所が発展するということは容易に想像できるだろう。
青空と入道雲、そしてカラフルな建物に生い茂る緑とまるで絵画で描いたような夏の日の光景である。

クラークキーから川の河口方向に向かうとこれからいくシンガポール発祥の地であるボートキー(Boat Quay)というエリアがある。
クラークキーよりも海に近いことから最初の船舶の寄港地はボートキーだったわけだが、ボートキーがだんだんと手狭になったため、華僑商人やヨーロッパの会社はさらに上流のクラークキーに倉庫や工場を建設したことが、クラークキー発展の契機だという。
当たり前といえば当たり前だが、船の進みやすい川の下流から開発がされていくのは当然である。

反対に先ほどまで撮影をしていた場所がこちらである。
カラフルな建物が連なる対岸とはうってかわり、高層ビルが建設されている。

正直、先ほどまでのリトルインディアと比べるとあまりにも雰囲気が異なるのが分かるだろう。
同じシンガポールとは言えど、多民族国家であるため、エリアによってここまで雰囲気が変わってしまうのだ。
世界旅行をせずともシンガポールに行けば東京23区ほどの小さいエリアながらも世界旅行をしている気分になることができてしまう。
これこそが、シンガポールの最大の特徴であり、さまざまな街を歩いてみること自体がシンガポール旅行の最大の醍醐味なのではないだろうか。

シンガポール川にかかる橋を渡り対岸へと周囲の景色を楽しみながら歩いていく。

ショッピングで買うものは無いが、ただ歩いているだけでも飽きなかった。

クラークキー周辺はナイトスポットでもあるため、どちらかというと昼間よりも夜間の方が活気があるのだろう。
昼間も賑わいがない訳ではないが、お昼時にも関わらずお店が満席になっているということは無かった。

シンガポール発祥の生搾りオレンジジュース自販機「IJOOZ」
日本でも駅などに設置されている生搾りオレンジジュース自販機を見かけたことがある方は多いと思う。
私も実際に池袋駅に設置されていて、その一角だけオレンジジュースの匂いが充満しており、無性にオレンジジュースを飲みたいという欲望に駆らせる自動販売機があるのを知っている。
実はこの生搾りオレンジジュース自販機「IJOOZ」はシンガポールのIoTテクノロジー企業・IJOOZ(アイジュース)社が製造したものなのだ。
2023年4月に日本に初上陸し、IJOOZ Japanが国内で設置・運営を行っており、16都府県で約500台が設置されているという。
1カップにつき4つのオレンジを使用し、実際に絞られている様子をアクリル板越しに見ながら楽しめるのがこの自販機の面白いところだ。
たったの45秒で冷たいオレンジジュースが完成し、新鮮なオレンジジュースを2SGD(日本円で約230円程度)という手頃な値段で楽しめるのがさらに良いところである。

実際にオレンジジュースを飲んでみたが、普通のオレンジジュースよりも濃厚でオレンジ本来の味を楽しむことができる。
初めて飲んだのが日本ではなく、発祥の地のシンガポールということで味わうことができて良かった。
高層ビルの立ち並ぶシンガポール川の南側(カラフルな建物が並ぶエリアの対岸)にあるので是非行って見てほしいと思う。

白壁にレインボーカラーの窓がある「旧ヒルストリート警察署」
クラークキーの岸壁に沿って、ボートキーの方向(シンガポール川の下流方向)へと歩いていく。
シンガポール川にかかる橋はコールマン橋(Coleman Bridge)で、その先にはマリーナベイサンズが見えている。

橋の上を渡るシンガポール・バスも見ることができた。

クラークキーには他にも観光スポットがあり、最近SNSで話題の「旧ヒルストリート警察署(The Old Hill Street Police Station)」である。
コールマン橋の北側に位置し、白壁にレインボーカラーの窓が927もある周囲の建物とは一線を画す6階建ての建物である。
現在は情報通信省の庁舎として使用されているが、元々は警察本部兼宿舎として使われていたので、旧ストリートヒル警察署という名前になっているそうだ。

訪問時は晴天の青空で旧ストリートヒル警察署のカラフルな窓の色とのコントラストが素晴らしかった。

観光客も大勢来ているかと思いきや、私が訪問したタイミングではそこまでの人はいなかった。
数人が私と同じように、道路の向かいのコールマンブリッジからカメラを構えて撮影していた程度である。

観光地では無いため庁舎の中に入ることはせず、外側から建物の外観を見るに留めた。
だが、1998年にシンガポールの国定記念物にも選ばれているそうで、最近話題のスポットでもあることから観光地と言っても間違いでは無いのだろうとも思った。

少し引いて見ると、赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫と様々な色が使われていることが分かる。

建物の前は交通量の多い道路となっており、至近での撮影は信号が青になった時ではないとなかなか難しい。
撮影に夢中で交通事故を引き起こさないようできるだけ注意をした方が良いと思う。

建物の正面だけではなく、北東側にも同様にカラフルな装飾がなされている。

旧ストリートヒル警察署を北東に進み、最初の曲がり角を右側に曲がり南東方向に進んだところにはシンガポール国旗が飾られていた。
手前側の屋根の部分のみ写っている黒い建物がシンガポールの大蔵省(The Treasury)のようで、その正面奥に先ほどの旧ストリートヒル警察署が見えている。

シンガポールの「バーガーキング」に入店
旧ストリートヒル警察署からコールマン橋を渡った先には最初に乗ってきたMRTのクラークキー駅などがある。
旧ストリートヒル警察署の観光途中で、非常に暑くて体力が消耗しかけていたので、昼食と休憩を兼ねてクラークキー駅近くの「バーガーキング セントラル店(Burger King The Central)」に立ち寄った。
本当はシンガポールの名物料理などを食べたかったのだが観光優先で見たいところが多くあり、ファストフードで素早く食事を済ませようとしたわけだ。
ポテトとバーガーとコーラという一番安いと思われるメニューを注文した。
全てのメニュー合わせて6.55SGDで、日本円に換算すると当時のレート(1SGD=118円)で777円だった。
かなり安い値段でお腹を満たせるのであれば旅先でこれほど効率の良いことは無いと思う。
もちろん一人旅だからこその融通が効くわけで、食事をメインにした旅行に行くのならそれはそれで食事を楽しめば良いと思っている。
要は旅行のプライオリティ(優先順位)をどこに置くかで、今回のシンガポール旅行は「食事」はなく「観光」をメインにしていたというわけである。

バーガーキングの味自体はどれも日本とほとんど変わらない味だったと思う。
クラークキーの周辺散歩はここで終わりとして、次の目的地へは徒歩で移動することにした。
次回は#13で紹介しますのでご覧ください。ここまで読んでいただきありがとうございました。


