日本人建築家設計の紙の大聖堂「カードボード・カセドラル(仮設大聖堂)」に行ってみる【ニュージーランド🇳🇿旅行#28】

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クライストチャーチ市内はコンパクトな街なので、徒歩で移動をすることができます。

続いて向かった場所は、街の中心広場カセドラル・スクエアの東側にある段ボールでできた大聖堂カードボード・カセドラル(Cardboard Cathedral)です。

別名では、仮設大聖堂とも呼ばれており、クライストチャーチの街に甚大な被害の爪痕を残した2011年のカンタベリー地震によって倒壊したクライストチャーチ大聖堂の代わりとして作られました。

設計者は、なんと我が日本人の建築家である坂茂(ばんしげる)氏です。

今回は、そんなカードボード・カセドラルを歩いてきたので、その様子をご紹介します。

カードボード・カセドラル(仮設大聖堂)

この仮設大聖堂がある場所は、2011年のカンタベリー地震の際に倒壊したCTV(カンタベリーテレビ)ビルの近くです。。

CTVビルといえば、地震当時、このビルの中にいた日本人留学生を含め115人が亡くなったということで、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

当時は私はまだ小学生でしたが、そのニュースをテレビで見たことをはっきりと覚えています。

13年の時を経て、あの時ニュースで見ていた場所へやってきたのだと、なんだか神妙な心持ちで観光を始めました。

外観

写真の方向から見て、右後ろ側に立っていたのがCTVビルでしたが、現在では跡形もなく解体されており、犠牲者を弔う記念公園として整備されています。

その場所からすぐ近くに建てられたのが、こちらのカードボード・カセドラルなのです。

震災の暗い爪痕とは対照的に、その外観はカラフルなステンドグラスで彩られています。

三角形をした屋根も、もちろん紙素材を利用して作られていると言います。

近くで見ても分からないほどに、しっかりとした作りで非常に驚かされました。

2011年の震災後、多くのボランティアが参加して工事に取り掛かり、約2年後の2013年8月にオーオープンをしたそうです。

私が訪れたのは2024年8月なので、ちょうど11年目を迎えた月になります。

紙素材でできているにも関わらず、ここまでの強度を持って10年以上が経過した今日この日においてもびくともせずに残っているのには、何度も驚かされます。

なんと建築上の耐用年数は、50年とされているそうです・・・

現実問題としては、カセドラル・スクエアのカンタベリー大聖堂が再建されるまでの間、こちらの仮設大聖堂は利用をされるそうです。

現状では、クライストチャーチ大聖堂が2027年に再建されるようなので、それまでの利用と考えると、次回クライストチャーチを訪れたときには、もう見られなくなってしまうかもしれません。

近くで見てみるとはっきりと分かりますが、ステンドグラスには様々な模様が描かれています。

外観を十分見て回ったところで、世界的にも珍しい紙の建築物の中に入ってみましょう。

館内

入場にあたっては、無料で入ることができます。

入り口には募金箱もあるので、寄付をしても良いでしょう。

日本人建築家の作品ということもあって、館内には多くの日本人がいました。

日本語が至る所で聞こえるので、この大聖堂の館内だけはまさに日本にいる気分になります。

さて、こちら側がステンドグラスを内側から見た様子です。

正面には十字架が掲げられています。

こちら側は思った以上に質素なつくりをしています。

紙素材を基調としたシンプルなデザインとでも言うべきでしょうか。

祭壇や椅子、十字架、屋根に至るまでほとんど全てが紙でできているのです。

いまだに信じられないですよね・・・

なお、設計者の坂氏は、大聖堂の建築立案、その後の建設など災害救援活動にも積極的に取り組み、建築界のノーベル賞であるフィールズ賞を受賞したそうです。

屋根をよく見てみても、寸分の違いを許さない精緻なつくりです。

シンメトリーにもなっており、その美しさは抜群でした。

クライスストチャーチの街中を歩いていると、10年以上が経過した今日でも廃墟ビルが数多く残るなど震災の爪痕が未だ残っており、悲しい気分になります。

ですが、震災復興の象徴として、輝き続けるこのカードボード・カセドラルはまさに震災復興を象徴の希望だとも感じました。

何かと日本人とも縁やつながりの深いクラーストチャーチの街ですが、自分の目と足でこの街の現状を見ることができて満足をしています。

当時小学生の私にとっては、地震をきっかけにクライストチャーチという街を知り、地震から復興したらいつか訪れてみたいと思っていたこの街を、14年の時を経てようやく訪れることが叶いました。

カードボード・カセドラルの「ミサ」

大聖堂の外観や内部も両方じっくり見ることができたので、いざ帰ろうとしていたところ、男性合唱でありながらも、素晴らしく高い声での合唱が始まりました。

ホームページでスケジュールを確認すると、どうやら礼拝(ミサ)の時間帯に合唱を披露しているようです。

合唱しているのは、聖歌隊で大変長い歴史があるのだそうです。

素晴らしい歌声に、足を止めて紙の椅子に座って、穏やかな時間を過ごすことができました。

なんとも、この聖歌隊とは少年聖歌隊のことを指し、1881年に創設されたとのこと。

震災発生前は、街の中心カセドラル・スクエアのクライストチャーチ大聖堂で披露されていたようですが、大聖堂の倒壊により、現在はこの仮設大聖堂で少年たちは歌っています。

最後に貴重な歌声を聴くことができて、大満足の仮設大聖堂見学になりました。

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