尖沙咀エリアの観光は一旦「1881ヘリテージ」で終了として、香港と言えば九龍半島尖沙咀と香港島中環と言われるほどの繁華街である香港島中環(セントラル)へ向けて移動することにする。
香港の観光名所「スターフェリー(天星小輪)」の歴史を振り返る
九龍半島から香港島に渡る手段として現在はMTRやタクシー、バスなど様々な交通手段があるが、昔は「スターフェリー(Star Ferry , 天星小輪)」に乗船することが香港島⇄九龍半島を移動する唯一の交通手段だった。
しかし近年では、香港島と九龍半島を移動する交通手段として、海底トンネルを通るMTRやバスに押されて近年ではスターフェリーの路線は減少しているという。
120年以上の歴史を持つ海上交通の街香港を代表するスターフェリーも現在は多くの観光客の足として使われているが、将来的に無くなってしまう可能性もあるのではと個人的には思っているので、廃止される前に乗っておくべきだろう。
実際に今回、香港に来たら一度は乗るべきとも言われるスターフェリーに乗ってきたので、今回はその様子を旅行記として紹介するが、その前に一度歴史を振り返っておきたい。

スターフェリーの歴史は「カオルーン・フェリー・カンパニー」に始まり、同社が1888年に香港島と九龍を結ぶフェリーサービスを開始し、これが香港の重要な公共交通手段となった。
その後、1898年にイギリスと清朝間で土地の租借が結ばれ、英国系企業の「スターフェリー社」に会社が引き継がれ、専用の埠頭などの建設などが進み、運航ルートも拡大した。
第二次世界大戦中には日本軍による占領で運航が停止されたが日本の敗戦後の1945年に再開したものの、1966年には運賃の値上げに反対するデモが暴動に発展し、香港の社会にも影響を与えた。
1972年の海底自動車トンネル開通や1980年代のMTRの開通により、フェリーの利用者は減少し、交通手段としての主役の座を失うことにはなったが、1997年の香港返還後も「スターフェリー」は香港の重要な観光資源であり、長い歴史を誇る交通インフラとして今も残り続けているという。
香港の発展の歴史を語る上では、九龍半島と香港島という香港の2大繁華街を結ぶ「スターフェリー」は切っても切り離すことができない存在であることが分かる。
香港の観光名所「スターフェリー(天星小輪)」に初乗船
尖沙咀エリアの「1881ヘリテージ」からは徒歩でスターフェリー乗り場へと移動して、実際に香港に来たら一度は乗るべきとも言われる「スターフェリー(Star Ferry , 天星小輪)」に乗船していくことにする。
「尖沙咀(Tsim Sha Tsui)」と「中環(Central)」、「尖沙咀(Tsim Sha Tsui)」と「湾仔(Wan Chai)」の2つの航路があり、尖沙咀⇄中環が最も王道なルートとなっている。
図の赤破線のルートが今回フェリーで移動するルートとなっている。

【画像引用:スターフェリー公式サイト】
乗り場がある九龍の尖沙咀から香港島の中環に向けて出発する船の乗り場「尖沙咀天星碼頭(Tsim Sha Tsui Star Ferry Pier)」から乗船する。
尖沙咀天星碼頭に到着して、ビクトリアハーバーを眺めてみると、さんさんと降り注ぐ陽光が眩しいほど良い天気で、太陽に照らされた香港の街の美しさに感動してしまうほどだった。
フェリー乗り場の前には、香港の旗と中国国旗が両方掲げられているのが印象的だった。

写真の奥側に見えているのが香港島で高層ビル群が所狭しと並んでいるのがよく分かると思う。

香港が美しいと言われる所以はここにあるのだと思わせるほどの壮大な景色が尖沙咀のフェリー乗り場には広がっており、写真左側に小さく見える船が今回乗船するスターフェリーである。

中環の市街地の奥には小高い山を見ることができるが、こちらがこの日の夜に訪問予定の香港夜景を一望できる絶景スポット「ビクトリア・ピーク(Victoria Peak , 太平山)」である。
ビクトリア・ピークについては別の記事で紹介をしているのでそちらの記事をご覧ください。

案内に従い、こちらの入り口からスターフェリー乗り場に向かうと、事前に料金を支払い乗船することができるようになっている。

「STAR FERRY’S HARBOUR」と文字の書かれたこちらの看板が目印となっており、看板から左側に進むとスターフェリー乗り場が見てくる。

フェリー乗り場は、フェリーの1階席と2階席に乗り場が分かれるので可能であれば2階席を選んだ方が良いだろう。
尖沙咀→中環の片道の乗船代金は大人が2階席で5HKD(日本円換算で100円程度、2025年2月の換算レート)で、土日祝日でも6.5HKD(日本円換算で130円程度、2025年2月の換算レート)と破格の価格設定となっている。
ちなみに、尖沙咀→中環の1階席の片道の乗船代金は平日が4HKD(日本円換算で80円程度、2025年2月の換算レート)で、土日祝日が5.6HKD(日本円換算で110円程度、2025年2月の換算レート)とこちらもかなり安い価格設定で、2階席とほとんど金額は変わらない。
景色もよく見えて、エアコンもある2階席は1階席に比べて20円ほど高いが上層階を選ぶ価値は十分にある。
そして、通常は改札機の横にある自動販売機でトークン(日本でいう切符のようなもの)を購入して改札機に入れれば乗船することができる。
香港の交通系ICカードである「八達通(オクトパスカード)」を持っていれば、スターフェリー乗船時にもタッチするだけで良いので便利である。
オクトパスカード購入時に保証金(デポジット)として50HKD(日本円換算で1,000円程度、2025年2月の換算レート)を含む200HKD(日本円で4,000円程度、2025年2月の換算レート)で販売されている。
チャージしている金額が足りなくなればMTRの駅やバスのカスタマーセンターなどでチャージをすることができるので困ることはなく、不要になった場合はカードを返還しさえすれば50HKDの保証金(デポジット)を含めた残額を返還してくれるようになっている。
私も香港人の99%が使用しているという「オクトパスカード」を利用して、スターフェリーに乗船した。

その他にも、中国の2大決済システムである「Alipay」や「WeChat Pay」も使うことができるようである。
VISAやMastercardなどのクレジットカードは2023年11月当時は使えなかったが、現在ではタッチ決済で使えるようになっているようだ。

改札口でオクトパスカードをかざして、無事に2階席(Upper Deck)に乗船することができた。
尖沙咀⇄中環の航路では6:30〜23:30の間に6分〜12分間隔で運行されているからか、満席になることはなく座席に余裕がある状態で窓から素晴らしい景色を見渡すことができた。

こちらか降車時に撮影した写真だが、椅子は全て木製となっており、背もたれが前後どちらにも変えられるようになっている。
日本にあるものに例えるとするならば、関西の電車によくある背もたれを前後どちらにも変えられる「転換クロスシート」のようである。

「スターフェリー」という名前だけに、椅子の上にもスターが描かれている。

スターフェリーの窓からはフェリー乗り場以上に、コバルトブルーに輝く香港の海を見ることができる。

窓からビクトリアハーバの景色をのぞいていると9分の乗船時間はあっという間に過ぎてしまった。
尖沙咀から中環まではMRTで移動した方が時間的には早いが、香港の景色をじっくり楽しみながら低価格で乗船することができるスターフェリーも、香港島⇄九龍半島の移動手段として観光客にとってはかなりお勧めである。

奥に見える香港島とこちらに向かってやってくるスターフェリー、そしてコバルトブルーに輝くビクトリアハーバーが合わさり、香港の美しさの全てを凝縮したような光景を見ることができて、値段を遥かに超える最高の体験をすることができた。

ほぼ時間通り9分後には対岸の香港島中環にあるフェリーターミナル「中環天星碼頭(Central Star Ferry Pier)」に到着した。

たったの100円程度で9分間のビクトリアハーバーの船旅を楽しむことができた。

以上、香港を代表する観光名所かつ移動手段である「スターフェリー(Star Ferry , 天星小輪)」で尖沙咀から中環までの移動でした。
次編からは今回の香港旅行のハイライトでもある香港島巡りをしていきますので、ぜひご覧ください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。


