シンガポールは東京23区ほどの小さな国で市内中心部は観光地が密集しているためMRTで移動しながら観光地を巡りやすいが、それぞれの街の様子や雰囲気を体感するためには歩いてみるとより良いだろう。
多民族国家のシンガポールでは、それぞれの民族が集まって住んでいるエリアがあり、その一帯だけが他のエリアと比べて全く雰囲気が異なっていたりする。
別記事で紹介予定のチャイナタウンやリトルインディア、プラナカン文化が残されたカトン地区、それに本記事で紹介するアラブストリートなどそれぞれに街に行くと他とは雰囲気がガラリと変わるのだ。
様々な文化が入り混じっているシンガポールは、まさに文化や伝統、宗教が混在する異国情緒を味わうことができる。
JTBの公式サイトにはシンガポールの多文化共生社会について詳細な記載があったので引用する。
公用語は4つ、宗教行事が中心の祝日
シンガポール政府の統計資料を見ると、シンガポールの人口は約592万人、
その内、中国系が全体の約76.1%、マレー系15.0%、インド系7.4%、
その他1.5%となっていて、この10年、民族構成はほとんど変わっていないようです。
主要な宗教は、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教。
それぞれの宗教において重要な日がシンガポールの祝日になっています。
国民全員で祝い、民族も宗教も関係なく互いに尊重しようという、この国の姿勢が感じられます。シンガポールは、総人口約592万人(2023年10月)のうち、中華系が7割以上を占め、次いでマレー系、インド系が主要な民族構成となっています。シンガポールには公用語が4つあるのをご存知ですか?
国語はマレー語ですが、公用語として、英語、中国(北京)語、マレー語、タミル語があります。シンガポールの紙幣には、4つの公用語で「シンガポール」と書かれているので、ぜひ見てみてください。言語だけでなく、宗教も多様で仏教、道教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などが信奉されています。
また年間の祝日にも、多民族国家シンガポールらしさが表れています。それぞれの神様にとって大切な日を国民の祝日にしているのです。たとえば、べサック・デーは仏教、ハリ・ラヤ・プアサやハリ・ラヤ・ハジはイスラム教、ディーパバリはヒンドゥー教の行事です。
「ブギスストリート」周辺を散歩
ラッフルズホテルからアラブストリートに向けて歩いていると見えてきたのが、こちらのブギスストリート(Bugis Street)である。
ラッフルズホテルからは北側に1km、徒歩で約15分ほど歩いた場所にある。
ブギスストリート(Bugis Street) は、シンガポールで最も賑やかなショッピングエリアの一つで、観光客や地元の人々に人気のスポットである。
特に若者やショッピング愛好者にとって非常に魅力的な場所であり、シンガポールの多文化社会を象徴するエリアとしても知られている。
時間があれば立ち寄りたかったのだが、そこまでショッピングに興味がなく、街歩きを優先したかったので今回は正面の様子だけ撮影して中には入らなかった。
このエリアは元々、1960年代にシンガポールの若者たちの集う活気あふれる場所として知られていて、特に1960年代から1970年代には、屋台やストリートファッションが集まるエリアとして一世を風靡したそう。
その後、数度の再開発を経て、現在のブギスストリートは、屋外のマーケットエリアを中心に、屋内外に店舗が広がるショッピングモールと化したという経緯があるのだ。

そもそもなぜブギスという名前が名付けられたのだろうか?
日本軍の支配やイギリス植民地支配を経て、マレーシアに加わった後、1965年8月9日にマレーシアから独立したシンガポールだが、都市としての開発が全く進んでいない貿易地区だったそう。
なお、かつてのブギスエリアには運河があり、インドネシアの民族であるブギス族が、祖国の商品や船を持ち込み販売していたのだ。
また、当時日本人用のクラブ街なども存在していたそう。
そして、1960〜70年代にかけて貿易が盛んになるにつれて、人が多く集まる地区となった。
また同時にトランスジェンダーが集まる地区としても有名になり、イギリス人などの各国の人が集まる観光地へと発展した。
そして1980年代半ば、大規模な都市開発を経て、道路が整備され、路上店舗を吸収して大型モールが建設されていき、現在の大型ショッピング街の姿へと変貌を遂げたそうだ。
このように歴史を紐解いてみるとそのエリアの文化や変遷など興味深い内容が次々と出てくる。
点と点で認識していた歴史の知識を幅広く勉強していくことで、点が線となり広範な知識を習得できたタイミングが一番面白いと感じる。
アラブ系住民が多く住む「アラブストリート」へ移動
ブギスストリートからさらに北東方向に歩いて行き、アラブ系住民が多く住む「アラブストリート」にあるサルタンモスクへと向かっていく。
アラブ・ストリート(Arab Street)は、シンガポールのマレー系やアラブ系住民が多く住むエリアで、イスラム文化が色濃く表れている。
伝統的なマレー料理や、アラブの香り高いスパイス、そしてモスクや古典的な建築物が点在している。
立ち並ぶ建物がカラフルに装飾されており、見て回るだけでも楽しい。

ピンク、ブルー、グリーン、イエローなど、非常に鮮やかで目を引く色合いがあり、シンガポールの多民族・多文化社会を反映しているそう。

実はシンガポールにはこのようにカラフルな建物が立ち並ぶ街並みが至る所にあるのだ。

アラブストリートの目玉「サルタン・モスク(Sultan Mosque)」へ
アラブ・ストリートで最も象徴的な建物の一つは、「サルタン・モスク」である。
シンガポールで最大のイスラム教のモスクで、特に金色のドームが目を引き、その周囲には伝統的なアラビア様式の建築が広がる。
1824年にシンガポール最初の君主サルタン・フセイン・シャーによって建てられ、1928年に現在の姿に改装された。
1日5回の礼拝には多くの信者が集まり、コーランが流れる中、メッカに向かって祈りを捧げる姿が見られ、シンガポールのイスラム文化を象徴する場所となっている。

これまでの写真と比べてもらえれば分かると思うが、他の地域とは雰囲気が全く異なる。
イスラム教独特のコーランの音楽やスパイシーな匂いがあり、まるで本当にアラブ世界に来たような感覚になった。


太陽に照らされた光のドームが本当に眩しく、周囲のランドマークとなっている。

アラブ世界とあって、女性は皆ヒジャブを被っている。


高層ビル群が林立する中にで、モスクが佇む姿がなんともシンガポールらしい光景となっている。

まるで異世界に来た気分になるので、シンガポールに行った際には是非観光してみることをお勧めしたい。
宿泊予定のホテルからも近く、再び夜にも訪問することになるが、こちらのモスクは昼間の方が見応えがあると感じた。
夜の訪問についてはまた別の記事で紹介することとする。
アラブストリートの人気のある小道「ハジ・レーン(Haji Lane)」へ
サルタンモスクからかなり近いところにあるのが、アラブストリートの人気のある小道「ハジ・レーン(Haji Lane)」である。
古い建物が並んでいるが、カフェやブティック、ギャラリーなどが軒を連ね、カラフルな壁画やストリートアートが街の雰囲気を一層ユニークなものにしている。

もともとはこのエリアは19世紀にシンガポールのアラブ系商人や労働者が住んでいた場所だった。
名前の「ハジ(Haji)」は、イスラム教徒がメッカへの巡礼を終えた人々を指す言葉であり、このエリアに住んでいた人々の多くが、マレー半島やインドネシアから来たイスラム教徒であったことが影響している。
かつては狭い道の両側に商店や小さな住居が立ち並ぶ地域だった。
しかし、20世紀後半に入ると、エリアの性格が大きく変わり、近代的なアートやファッション、カフェなどの文化的な要素が集まるようになり、現在のような活気のあるストリートへと変貌した。

個人的にはアートには疎く、あまり興味がない自分でも歴史を踏まえて上で街歩きをするとかなり楽しかった。

以上、猛暑の中、シンガポールの光景に夢中になりながら観光をした。
できるだけ汗をかかないようゆっくり動いていたが、それでも汗が流れ出てくるほどの暑さである。
街によって全くと言っていいほど特色や雰囲気の変わるシンガポールの街歩きは本当に楽しい。
次回、アラブストリート近くのホテルにチェックインをします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。続きは、#6で紹介します。


