2025年8月10日、富士登山も今日で2日目です。
山小屋でほとんど眠れない時間を過ごしたあと、深夜2時に山小屋を出発しました。
山小屋「鎌岩館」のスタッフの方からも、今日は天候が悪く、山頂付近では台風並みの暴風が吹き荒れているので、危険を感じたら下山するように言われました。
自然の力の前には、もちろん無力なので、危険なら諦めるしかありません。
とりあえずは山小屋付近はまだ雨は降っておらず、時より強い風が吹く程度だったので、8号目を目指してみることにしました。
初めての富士登山 悪天候による無念の下山
タイトルにも書いた通り、結論から言うと今回の富士登山は8号目の手前で下山をすることになりました。
その理由は、体が吹き飛ばされそうなほどの暴風と雨です。
これ以上、上を目指そうものなら、命の危険が及ぶと思ったほどでした。
山小屋「鎌岩館」から深夜登山で8号目を目指す
ヘッドランプに、防寒着、岩場を登るための登山用手袋、上下セパレートタイプの雨具と自分の持ってきたフル装備を身につけ、標高2,790mの鎌岩館を出発です。
富士山の8号目は、3,000mを超える高さなので、ここから200m標高が上がる計算です。
あまりにも風が強いのか、山の上からは続々と登山者が下山をしてくる状況です。
これから上を目指そうとする者は、数えるほどしかいませんでした。
こんな状況の中で、本当に8号目にたどり着くことができるのだろうか?
不安と戦いながらも、風が強く吹く、富士山7号目〜8号目にかけての岩場を登っていきます。
鎌岩館よりもさらに上にある山小屋「富士一館」、「鳥居荘」、「東洋館」を経て、いよいよ8号目の灯りが見えてくるところまでやってきました。
ちょうどこの写真が、「東洋館」脇の岩場から、8号目付近の山小屋「太子館」の灯りを見ている様子です。

私が今いるこの場所こそ、標高は3,000mを超えているのだそうです。
「東洋館」こそが、7号目最後の山小屋で、この先は通常時でも風が通りやすい、岩場を40分ほどかけて登り8号目へと向かうことになります。
ですが、この日はあまりにも風が強すぎました。
スマートフォンを手に持って、写真を撮ろうとしただけでも、吹き飛ばされそうになるほどの暴風でしたので、これ以上先に進むのは危険だと判断しました。
風による落石、岩場での転倒などをすれば、大怪我または命の危険に繋がることは間違いありません。
さらにたとえ危険を顧みず、このまま登ったとしても、空には厚い雲がかかっており、ご来光なども当然見えないはずです。
標高2,790m付近の「鎌岩館」での風と、ここ7号目最後で標高3,000mの山小屋「東洋館」あたりでは、別世界かと思うほどに風の強さが違いました。

お盆休み3連休の初日〜2日目にかけてだというのに、下山客は見かけるものの、登山客はほとんど見かけません。
それほどにこの日は悪天候で、多くの登山客が登山を控えていたということなのでしょう。
富士山5号目に繋がる、富士スバルラインですらも、暴風と大雨で通行止めになるほどの悪天候だったわけですから、当然と言えば当然でしょう・・・
もう少し天候の良い日に登れれば良かったですが、山小屋の予約も争奪戦ですし、事前に富士山の通行料なども払っていると、登山日を変更するというのはそう簡単なことではありません。
事前に休みのスケジュールに合わせて、富士登山の予定を組んでいるわけですから、その日がたまたま悪天候に当たって仕舞えば、もちろん富士山頂への登山は叶わず、ということになります。
7号目最後の山小屋「東洋館」から下山開始して宿泊した「鎌岩館」へ戻る
時刻は午前3時40分、富士山山頂へのアタックは諦め、下山を開始します。
標高3,000mの東洋館からは、およそ1時間ほどかけて標高2,790mの鎌岩館に下山しました。
鎌岩館まで下山をすると、風の強さはかなり弱くなり、いかに7号目最後の山小屋の東洋館付近で風が強く吹いていたのかということを実感します。
鎌岩館の屋外では、多くの人が集まって、日の出の様子を眺めていました。
少しずつ空は明るくなりますが、厚い雲に覆われており、太陽の光は見えません。

山から見下ろした街の様子は眺めることができますが、上空は雲というか霧で覆われており、視界は全くない状態でした。
悪天候さえなければ、本来は富士山山頂で見るはずでしたが、この日は悪天候で富士山頂にも行くことができず、ご来光さえ見ることは叶いませんでした。
周りの登山客の様子を見ても、ご来光を見ることができずに、残念そうにされる方が多かったと思います。

7号目「鎌岩館」から富士スバルライン5号目まで下山
この日は、さらに雨が強くなる予報で、これ以上7号目に留まっても、やることもないので、まだ朝の5:00を過ぎたところですが、前日に来た道を戻り、富士スバルラインの5号目まで戻ることにしました。
富士山頂にたどり着くことができずに本当に残念ですが、またいつの日か天候の良い日に富士山頂に向けてリベンジできたらと思います。
8号目までたどり着いていれば、下山道を降りることができますが、今回は8号目の手前で下山を開始しているので、下山道を通ることはできません。
ですので、登山道を下山しながら、一歩一歩きた道を戻っていきます。

あたり一面は、濃い霧に覆われ、風と雨が強く吹き付けるような天気です。
雨は時折弱くなったり、強くなったりを繰り返しながらですが、着用している雨具にはびっしりと水滴が付着します。
雨が降っていないからといって油断をしていると一瞬でびしょ濡れになるような状況でもありますので、登山時に限らず下山時にも霧の中を歩くのであれば、雨具の着用は必須です。

早く富士スバルライン5号目に戻りたい一心で下山をしたので、7号目の鎌岩館からはおよそ1時間30分ほどで5号目に到着しました。
これはけっこう、早いペースで下山をすることができたのではないかと思っています。
睡眠不足かつ、疲労による体力の消耗が思った以上に大きく、やっとの思いで5号目まで下山をしてきました。
通行料を支払った際にもらったリストバンドを、下山時にもスタッフに提示をする必要があるので、無くさないようにしておかないといけませんでした。

時刻は朝の6:30とまだ早い時間ですが、同じように下山する登山客の姿も多くありました。
おそらく今日の悪天候を見かねて、多くの人が山頂に到達することができずに、諦めて下山をしてきたのでしょう・・・
こんな悪天候の日に、山頂までたどり着いた登山者はどのくらいいるのだろうか・・・
誰も山頂まで登った人はいないのではないか・・・
そんなことを考えながら、5号目まで下山をしてきたわけです。

前日の登山開始時には、あんなに多くの人で溢れていた富士スバルライン5号目も、早朝かつ暴風雨という状況なので、人の姿はまばらです。
写真だと伝わりにくいですが、まるでシャワーの中にいるような雨風が吹き荒れているので、外に出たくても出られなかった方も多いはずです。
予想は的中し、多くの登山客が建物内で待機をしていました。

東京までのバスを待つこと6時間 富士スバルライン5号目での待機
本来の予定なら、まだ6:30なら山頂から下山を開始した頃のはずです。
でも今日は悪天候で、すでに5号目に戻ってきているので、東京までのバスを予約した12:00まで6時間ほど待機をしないといけません。
それに五号園レストハウスの館内の多くの店の開店時間は、朝の9:00からということもあって、少なくとも3時間は何もすることなく、待機をしないといけませんでした。
かといって、外は暴風雨なので、数秒外に出るだけでも全身びしょ濡れになるほどの雨風が吹き荒れています。
五号園レストハウスの館内も開店準備をしているため休憩をすることは許されず、急遽休憩所を開放しているという富士急が運営する富士急雲上閣という建物の更衣室を休憩所として開放しているようで、そちらで9:00ごろまでは時間を潰すことにしました。
皆登山客の考えは同じで、更衣室には続々と人が集まり、災害時の緊急避難所のような状況となり、全身ずぶ濡れになった登山者や、泥だらけの登山者が多く集まり、館内は大変な状況になっていました。
更衣室から1階の売店付近までの床がまるで田んぼのように泥にまみれてしまい、まさにカオスな状況でしたが、このような状況下で更衣室を開放いただいた富士急雲上閣には感謝しかありませんでした。
9:00を迎えたあとは、五号園レストハウスへと再び移動して、朝食兼昼食を食べることにしました。
ラーメンは一杯1,400円ほどと高めですが、登山後のラーメンは至福のひとときでした。

5号目まで降りたことによって、高山病の症状もほとんどなくなり、無性にお腹が空いてきたので、ラーメンに加えて、5号目の名物でもある「富士山メロンパン」をいただくことにしました。

まさに富士山の形をしており、見た目からして美味しそうです。
ひとつ400円という値段設定なのも、ちょうど手頃な値段でありがたいです。
せっかくなので、食べてみましょう。

山の麓は緑色のメロンパンの生地で、山頂付近にはチョコレートや白い粉が乗せられており、雪を被った様を表しているのでしょうか。
見た目も綺麗なメロンパンですが、味も甘すぎることなく絶妙な美味しさでした。
富士登山で疲れた体には、糖分摂取はまさにご褒美と言えるでしょう・・・

富士スバルライン5号目 〜 バスタ新宿までの帰路
富士スバルライン5号目からバスタ新宿までのバスの出発時間は12:30です。
それまでは睡眠不足と、疲労に耐えながら、3時間ほど何をすることもなく時間を潰しました。
何もすることがないというのは、本当に退屈で、時間の流れが非常に遅く感じました。
待ちくたびれるほど待機して、ようやく時刻は12:30となり、バスに乗車することができました。

行きのバスの雰囲気とは異なり、帰りのバスは物静かな様子でした。
ほとんどが登山者なので、皆ぐったりとしており、富士山から東京までの道のりは寝ていた人が多かったと感じました。
あれほどの雨風に長時間打たれ続けながらの登山は、そりゃきついよなという感じです・・・
眠ってしまうと皮肉なことに、時間が過ぎるのはあっという間です。
バスは東京の摩天楼をくぐり、バスタ新宿へと戻ってきました。

今回の富士登山は結論を言えば、登山失敗です。
それも体力的な要因ではなく、悪天候による登山の断念ということで、悔しい気持ちもあります。
山には魔物が潜んでいると言われるように、山の天候を舐めては命取りになりかねません。
今回の途中下山の判断は間違っていなかったと思います。
無事に下山できたわけですから、またいつか天候の良い日に山頂アタックにチャレンジできる機会はあるはずです。
来年、再来年、もしくは10年後の可能性もありますが、リベンジすることを見据えて日々の体力づくりに取り組みたいと思います。
旅も登山も、体力あってのものなので。

