クイーンズタウンから始まったバスでの旅も終わりを迎えて、今回のニュージーランド旅での最大の目的地と言っても過言ではない、ミルフォード・サウンド(Milford Sound)に到着しました。
前編でもご紹介しましたが、今回はHISで予約をしたオプショナルツアー「世界遺産!ミルフォードサウンド1日観光〜RealNZ社催行」に参加をしています。
このツアーでは、旅の拠点となる街クイーンズタウンからミルフォードサウンドまでの全面ガラス張りバスでの往復と、ミルフォードサウンドクルーズがセットになったプランです。
オプショナルツアーなら、冬の時期は降雪などもあり、レンタカーだと危険を伴う場合もあるミルフォードサウンドまでに道のりもプロが運転してくれるから安心です。
今回は、実際にミルフォードサウンドに到着したところから、クルーズでフィヨルドの絶景鑑賞をしたときの旅行記です。
世界遺産「ミルフォード・サウンド」クルーズツアー
ミルフォードサウンドはニュージーランド南島の南西部にあるフィヨルドです。
ニュージーランドに3つある世界遺産のうちのひとつ「テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド」の構成遺産として、世界自然遺産に登録されています。
フィヨルドとは氷河の侵食によって形成され、深く入り組んだ湾のことを指します。
そして、この地方は年間の3分の2は雨が降り、大量の雨がもたらす水によって、崖の上から流れ落ちる滝が出現し、海へと落ちる絶景を見ることができます。
まさに、今回の旅のハイライトです。
ミルフォード湾ビジターセンターに到着
時刻は13:00になるところです。
クイーンズタウンを出発したのは7:30頃だったので、実にミルフォードサウンドまではバスで5時間30分以上の時間がかかりました。

道中の景色が素晴らしく、あっという間に感じましたが、かなりの長時間バスに乗車していたことになります。
まずミルフォードサウンド観光の拠点となるのが、クルーズ乗り場にもなっているミルフォード湾ビジターセンター(Milford Sound Visitor Centre)です。
こちらの駐車場にバスが止まり、クルーズのチケットを運転手から預かり、そのチケットを持ってクルーズ乗り場へと歩いていきます。

クルーズ乗り場は、多くの観光客で賑わっていました。

ミルフォード・サウンドへようこそ、と書かれていました。

ビジターセンターの中には、クルーズ船を運行する各社のブースが良いされており、ここで手続きをすれば乗船することができます。
レンタカーで来たときには、ここでクルーズのチケットを購入する形になるはずです。

でも今回は、バス+クルーズのセットプランなので、購入の必要はありません。
運転手からもらったチケットを握りしめ、建物を出た所にあるクルーズ船乗り場へと向かいます。

ミルフォードサウンドクルーズの始まり
クルーズ船を運行する各社のターミナルがある建物を抜けると、そこにはクルーズ船の乗り場が広がっていました。
今回私が乗船するクルーズは、デイクルーズとして数時間でミルフォードサウンドを観光して、再びここへと戻ってくるようです。
バスの運行会社と同じ、RealNZ社にクルーズもお世話になります。
乗船時間は、13:30〜なので、それまではここで景色を楽しむことにしました。

私と同じように遥か遠くの日本からやってきた観光客もちらほら見かけます。
ミルフォードサウンドは日本人にとっても人気の観光地であることは間違いありません。

もはやクルーズに乗船する前から、絵に描いたような景色を見られたのでこれだけでも十分と、言いたいところですが、クルーズからはもっと素晴らしい景色を見られるのでしょう。

地球の歩き方にも書いてありましたが、このあたりはニュージーランド国内でも最も雨が多く、なんと年間降水量は7,000mmにも達するほどです。
それほど雨が多いエリアでもあるので、快晴に恵まれることは「まれ」だが、雨のミルフォードサウンドにも雨ならではの良さがあると書かれています。
ここまで書かれていると、ほとんど晴れることはないので、雨でもがっかりしないようにと、地球の歩き方側で保険をかけているようにも思います。
ですが、この日はまさかの雲ひとつない快晴に恵まれました。
間違いなく強運だったことに違いはありません。

年間でも滅多にない快晴のミルフォードサウンドを見ることができてラッキーです。
ひとつデメリットがあるとすれば、崖から流れ落ちる滝の流量が少なくなり、雨の日と比べて多少は迫力に欠けるといったところでしょうか。

いよいよ、クルーズの開始時間も近づいてきました。
停泊していたクルーズ船が、徐々にミルフォードサウンド内部へと進みます。

今回私がお世話になるRealNZ社以外にも、複数社のクルーズが運行されており、会社によっては船の形が大きく異なります。
コースはほぼ同じですが、形状によっては崖や滝のギリギリまで近づくこともできるクルーズもあるので、事前に調べておくと良いと思います。

今回の乗船時間は、およそ2時間です。
どんな景色を見ることができるか、楽しみで仕方ありません。

私が乗船するひとつ前のクルーズ船が出発をしたので、次が私の番となりました。

フィヨルド地帯の絶景をクルーズで進む旅の始まりです。

それでは、行ってきます。

RealNZ社のスタッフの方にチケットを渡します。
なんと、チケット入れはバケツです・・・

続々と乗り込んでいく観光客に続いて、私も船内へと入ります。
奥にいるサングラスをかけた方が、今回の船内ガイドのようです。
乗船中はマイクを持ちながら船内を歩き回り、ガイドをしてくれました。

船内の雰囲気は落ち着いており、船内から景色を見る人も多いようです。
でも私の場合は、せっかくなのでデッキに出て綺麗な景色を楽しむことにしました。

最前列を確保したと思いましたが、出発時には船は旋回をして出ていくので最後尾でした。
でも景色はしっかりと見れるので、良しとしましょう。

ミルフォードサウンド最大の滝「ボーウェン・フォール」
観光船のターミナルを出発してすぐに右手に見えてくるのが、ミルフォードサウンドでも最大の滝であるボーウェン・フォール(Bowen Falls)です。

雨の日には無数の滝が出現するミルフォードサウンドですが、この滝は天候に関係なく、1年を通して水が枯渇することのない滝としても有名です。

クルーズの進行方向に向かって最後方から景色を眺めていたので、どんどん離れていくボーウェン・フォールを眺めることができました。
冬の時期の午後は、進行方向正面は逆光になるので、クルーズの最後方から景色を眺めてみるのも意外とおすすめなのです。
ほとんどの観光客は、最初に進行方向前方の最前列に行きたがるので、後方は人も少なめです。

先ほど出発をした観光船のターミナルが見えますが、まだそれほど離れていないですよね・・・
ターミナルから本当に近いところに、ボーウェン・フォールは見えるのです。

ほとんどの場合は、クルーズの最後にも見ることができるので、2回鑑賞できるはずです。
そして、クルーズは湾の中を海の方向へと向かってどんどん進んでいきます。
あっという間に滝は遠くなってしまいました。

そんなボーウェン・フォールですが、入植当時のニュージーランド総督夫人の名前が由来となって、この名前がつけられたそうです。

さらにミルフォードサウンドの奥へ
クルーズは、想像よりも速いスピードでミルフォードサウンドを進んでいきます。
切り立った崖が特徴のフィヨルド地形は、まさに格別の絶景です。
フィヨルドというと北欧のノルウェーをイメージしますが、ここニュージーランドも見ての通りかなり素晴らしいフィヨルドを見ることができる場所なのです。

この日は幸運にも快晴に恵まれましたが、普段はほとんど雨となります。
フィヨルド地形の山々には一部緑が生えていない部分が見えますが、ここが本来であれば滝として水が流れている場所なのでしょう。

正面に見えている崖の岩肌も、滝の形のように緑がはげている部分があると思います。
ここがまさに、雨天時や雨天後に滝が出現するスポットなのです。

通常の山であれば雨が降っても土壌に水分を含みやすく、滝が出現することはまれですが、ミルフォードサウンド沿いの山は岩を中心に構成されており、雨が染み込みにくいのです。
そのため、降雨が始まると、たちまち滝が岩肌に出現するというわけです。
それもその滝の流れは早く、落差も100m以上の滝が出現するため、水面付近では多量の水飛沫や水煙が立ち込める幻想的な光景を見ることができるのです。

滝にかかる虹が妖精を思わせる「フェアリー・フォール」
ちょうどクルーズ開始から30分程度経過したころでしょうか。
クルーズは、岩場に近いところを航行するようになってきました。
どうやら前方に滝が見えるようなので、最後尾から歩いて最前列まで移動をします。

最前列に到着すると、目の前には滝が見えてきました。
湾の最深部から、海まで残り半分程度となった場所に見える、この滝こそがフェアリー・フォール(Fairy Falls)です。

滝にかかる虹が妖精に見えることから、この名がつけられたという滝です。

今日は幸運に恵まれて、快晴なので虹を見ることができました。
確かに妖精と言われれば、そう見えなくもないような気がしてきました・・・

地球の歩き方には、水量が多い日は虹が見えることもある。と書かれていますが、この日は水量がそこまで多くないにもかかわらず、快晴の天気なので虹を見ることができました。
たった2〜3日雨が降らないだけでも、滝が消えて無くなってしまうので、この日はかなりの幸運だったと言わざるを得ません。

ニュージーランド最大の見どころにして、快晴と虹に歓迎されるという強運を持っていたようで、これは旅の神様に感謝をしなければいけません。

7色の綺麗な虹が、滝の下部にしっかりとかかっています。
こんなにはっきりとした綺麗な虹を見たのは初めてかもしれません。

クルーズ船も、スピードを緩めて、虹に近づいてくれたので、景色をはっきりと見ることができました。
座礁の心配もあるのに、ギリギリまでクルーズ船を近づけてくれる操縦技術を持ったクルーには感謝しかありません。

これそまさにミルフォードサウンドといった絶景を見させてもらいました。

海に出たところで旋回
フェアリー・フォールに立ち寄ったあと、クルーズ船はスピードを速めながら湾内を抜けて、海まで一直線に進んでいきます。
並走するクルーズ船の姿も見えましたが、どこの運行会社のものでしょうか。
数多くにクルーズが運行されているので、湾内で何度もこういった船に出くわします。

隣の船からは、人が手を振っているので、こちらも手を振りかえします。
言語が通じなくても、こういった文化は世界共通なのですね・・・

湾の横幅が海に近づくにつれて徐々に大きくなっていきます。
もう少しすると、折り返し地点に到達して、旋回しながら再び観光船ターミナルに戻ります。

旋回地点に達すると、数分間クルーズ船は停止をします。
その間に多くの観光客はデッキへと出て、各々記念撮影を楽しんだりしていました。

このあたりは、まさにフィヨルド地形らしい絶景が広がっています。
地理の教科書の写真に掲載されても良いくらいの写真を撮影できたと思っています(笑)

クルーズ船内には室内もあり、風や雨を防ぎながら、窓越しにミルフォードサウンドの絶景を見ることもできるのです。
軽食やカフェなどもあるので、サンドイッチを購入して食べながら休憩をしていました。

でもなんだか室内にいると勿体無いような気がしてきて、室内があることを忘れてしまうぐらい、外のデッキに立ち続けながら景色を眺めていました。
寒さと風にさえ耐えられれば、デッキから景色を見る方がおすすめです。

屈指の水量を誇る滝「スターリン・フォール」
一定時間とどまったあとは、クルーズは再び帰路へとつき、きた道をまた戻っていきます。
往路は、西側の崖沿いに進んでいきましたが、帰りは東側の崖沿いに進んでいくので、また違った景色を見ることができそうです。

そうすると見えてきたのが、もう一つの枯れない滝スターリン・フォール(Stirling Falls)です。
この日は快晴で雨量が少ないにもかかわらず、この滝だけでは轟音を立てながら、大量の水が流れ落ちていました。

それもそのはず、落差はなんと155mもあり、フィヨルドランドでも屈指の水量を誇ります。

ミルフォードサウンド内を巡るクルーズのほとんどがこの滝の近くまで向かい停泊をしますが、私が乗ったクルーズも当たり前のように滝に近づいていきました。
この時ばかりは、船の最前面に移動して、なんとか滝を間近で見ようと必死でした。

無事の最前列を確保して、間近で滝を眺めることに成功しました。
想像以上にクルーが滝の近くまで船を近づけてくれるので、その技術にも感心します。

滝に近づくにつれて、霧状になった水が空気中を舞っており、びしょ濡れになるほどです。
耐水性のコートを持っているとより重宝します。

2度目の「ボーウェン・フォール」
ようやくボーウェン・フォールまで戻ってきました。
ここまでくれば、あと少しでクルーズも終わりです。
そう、最初にクルーズに乗った際にも、遠くから見えましたよね・・・

帰りは、東側の崖沿いにそってクルーズが運行されるので、ボーウェン・フォールもかなり近いところで見ることができます。
やはり何度見ても、圧巻の光景ですよ・・・

ミルフォードサウンドクルーズの終わり 観光船ターミナルに到着
時刻は15:30を迎えました。
2時間のミルフォードサウンドのクルーズ旅も終わりです。
はなから、大自然の雄大さ、壮大さに畏怖の念すら抱くほどの絶景の連続でした。
今回のクルーズ旅を共にした、こちらのクルーズ船には感謝をしなければなりません。

私がいたのは、主にクルーズ船の後方部なので、ここからでは見えません。
2時間のうち大部分を室内ではなく、後方のデッキから眺めていました。
長時間寒い風に当たり続けていたので、このあと風邪をひかないか心配になるほどでした。

再び観光船ターミナルに戻り、そこからは行きに乗ってきたバスを探して、再び乗り込みます。
運転手から言われていた通り、バスの乗車時間は厳守なので、遅れないようにしました。
とは言っても今回のツアー、バスの乗客は全員同じクルーズ船に乗っているので、モタモタしない限りは大幅に遅れることはないはずです。
バス、クルーズ船ともに、どちらもRealNZ社が運行しているので、万が一の時のトラブル対応も、同一の運行会社なら安心できる部分はありました。
ミルフォードサウンドの帰路で見た夕焼け
そしてここからは来た道を戻り、再び5時間30分以上かけて、ミルフォードサウンドからテアナウを通り、クイーンズタウンの街へと戻ります。
バスの車内からも絶景の連続だったミルフォードロードを再び通って、元きた道と全く同じ1本道を通って帰っていくわけです。
帰りのバスはみなさんのご想像の通り、運転手のガイドも最小限で、多くのツアー客が疲れ果てているので、就寝モードです。
行きの期待感とは裏腹に、帰り道は満足感からは多くの方が眠っていました。
私もうとうとしかけていたそのとき、窓の外をふと見てみると夕焼けが見えました。

それも日本では見たことのないような絶景ではないですか。
夕焼けの反射具合が、これまで私が見た中でもダントツで一番だと思います。
それだけ空気が綺麗だからということなのでしょうか?

夕焼けのもと、羊の大群も何度か見かけました。
帰りのバスは、一般道を100km程度で走っているので、あっという間に通過してしまい、残念ながら羊の大群を捉えることはできずでした・・・
もちろん一般道を100kmというのは、制限速度内なので問題なしです。

振り返ってみれば、ミルフォードサウンドへの途中、実際に行ってからも記憶に残る絶景を終始みることができたなと思います。
金銭的にかさみますが、これだけの一生脳裏に残る景色を見られたわけですから、旅の記憶に投資をしたと思えば良いのです。

この日見た景色は、決して忘れることはないと思います。


